公演
NPO法人ドリームエナジープロジェクトでは、知的ハンディのある人たちによるパフォーミングアーツの分野で、表現の可能性を模索し、舞台公演を通してチャレンジを続けています。
2024年
3年ぶりのドリプロ演劇公演となりました。 2016年、17年、19年には「21番目の素敵な出逢い」という演目のお芝居を、そして3年前の2021年コロナウィルス流行による緊急事態宣言下で行ったのが、「凜と生きる」でした。
今回は脚本を一部書き換えた新しい作品として、副題「いのちの星に生まれて」を冠した進化系再演となりました。
「素敵な出逢いフェスティバル2nd」と題して、3年ぶりの演劇公演を開催しました。(2024/9/28 杉田劇場)
◇代表からのメッセージ
-
第1部 演劇『凜と生きる〜いのちの星に生まれて〜』について
津久井やまゆり園事件の犯人が、話せるか話せないかで人に生きる価値を決めたことにとても違和感を感じていました。
長男含め、ダウン症や自閉症など知的ハンディのある人はうまく話すことはできませんが、優しく、心に豊かな世界を持っています。
「花の声が聞こえないのは、聞こうとしていないから」
そうしたファンタジーに思いを込めたのが前作でした。
今回は、地球という星に育まれた命という観点を入れつつ、「話せない」とばかにされた花たちが、心に闇を抱えた男を励まし変えていき、目覚めさせるというストーリーです。
生まれつき寝たきりという凜の役を、今回は「NPO法人こつこつ」のひでーるさんがやってくださり、2場の紗幕を使った「哀しみのダンス」にも登場してくれました。
今回も、花や虫を演じるメンバーたちの生き生きした姿がステージ上ではじけました。 いっしょに演劇をつくってくださった「鎌倉アクターズワークショップ」のみなさん、舞台スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
-
第2部「NPO法人こつこつ」のみなさんを交えてのトークショーについて
「NPO法人こつこつ」は、発話が難しく、身体も思い通りに動かない、はた目には何もわからないように見えても、考え感じることができ、指筆談や文字盤などの介助を得て心の中には言葉があることを社会に伝える活動をしている団体です。
2022年にご縁でつながってから、演劇のテーマを体現する存在と思いラブコールし、お互いを理解するために話し合いや交流会など今回出演していただく準備を進めてきました。
指先のささやかな動きを読み取る指筆談や文字盤などを使う現場を初めて見て感動したという声がとても多かったです。 会場中が針が落ちる音も聞き逃さないような集中した雰囲気になりました。
演劇を観た感想(ひでーるさんは出演した感想)、今好きなことやトピックスなどを発表してもらい、そして肉体家の戸松美☆貴博さんが、自分の手のひらに「NPO法人こつこつ」の方から指文字を書いてもらい、感じとったことを体で表現するパフォーマンスの時間に。
「NPO法人こつこつ」のみなさんからの「愛」を舞台のみなさんに届ける!という即興パフォーマンスは最高でした! 最後は、ドリプロメンバーたちも出てきて、「風になりたい」を客席のみなさんもいっしょに歌い、会場中がひとつになりました。 2部トークのダイジェストの映像をぜひご覧ください。 https://youtu.be/9Pv8B0i6WTI
「NPO法人こつこつ」の登壇者のみなさんに、これまでのこと、思うことなどのメッセージを書いていただいたものを当日パンフレットといっしょに配りました。 とても深いメッセージなので、ぜひ読んでいただけたらと思います。(以下ギャラリーの下部にあります)
演劇
『凜と生きる』
2021年
2016年~2019年にかけて開催した『21番目の素敵な出逢い』に続く、
ドリプロオリジナル脚本の演劇第2作です。
たとえ言葉が話せなくても心には豊な世界が広がっていること、
それを見つけようとすることの大切さを伝えるために書き下ろしました。
演劇「凜と生きる」は、2021年9月に開催したイベント「素敵な出逢いフェスティバル」で
初演されました。
『素敵な出逢いフェスティバル』の構成
-
第1部 ダウン症・自閉症のあるパフォーマーによるコンサート
◇ピアノ演奏 鈴木凜太朗
6本指(左手指5本と右手首)で奏でる深く抒情性あふれる演奏
◇独唱 内海隼吾
歌が大好きという気持ちを体全体で表現する
◇ピアノ演奏 小柳拓人
ダイナミックに鍵盤を指が踊りリズムを刻むピアノ演奏
◇デュオ 小柳拓人&本間惟彦
限りない広がりを感じさせるフルートとヴァイオリン演奏
◇独唱 神谷たえ
天から降りてきたような清らかな響きと圧倒的な歌唱力
◇出演者たちの素顔と生活を垣間見る本人とお母さんへのインタビュー
-
第2部 演劇『凜と生きる』
◇あらすじ:花が嫌いな男は野の花を地味だとばかにする。男はある日「花の声が聞こえないなんて、もったいない」と言う女の子と出逢う。何をやってもうまくいかない男が、花と話せる女の子や花たちとの触れ合いを通して、生きることの尊さに気づいていく。津久井やまゆり園事件で、話せるか話せないかで生きる資格を問うた犯人に対する憤りをきっかけに書き下ろした作品。
『素敵な出逢い
オンラインコンサート』
2020年
2018年に続く音楽メインの公演『素敵な出逢いコンサート』の第2弾。
ダウン症のある若者たちの味わいのあるパフォーマンスと、 ハープ演奏家の八木健一さんとのコラボレーションが実現しました。
当初は国連が国際デーのひとつとして制定した「世界ダウン症の日」でもある3月21日の開催を予定していました。
コロナ禍の影響で延期を余儀なくされましたが、決して中止にはせず、2回の延期を経てオンラインコンサートという形式で実現することができました。
『素敵な出逢いオンラインコンサート』の構成
-
第1部 ダウン症のある若者のピアノ演奏と独唱、ハーピスト八木健一氏によるハープ演奏
-
第2部 ドリプロスクールに通うメンバーたちからの個性あふれるほのぼのしたメッセージ
演劇
『21番目の素敵な出逢い』
2016年/2017年/2019年
ダウン症のあるパフォーマーたちによる演奏と命の誕生をテーマにした
楽しくてジーンとくるオリジナル脚本の演劇です。
ダウン症や知的にハンディのある人の明るい笑顔と元気で輝いている姿に出逢える
スペシャルイベントとして好評を博しています。
公演「21番目の素敵な出逢い」は
-
オープニング ドリプロスクールメンバーによるソーラン演舞
-
第1部 ダウン症のあるパフォーマーたちによる歌と演奏
-
第2部 演劇「21番目の素敵な出逢い」
という構成になっています。
「21番目」というのは、体細胞の21番目の染色体が通常より1本多いことから発症するというダウン症に関連させたタイトルでもあります。
この演劇は、新型出生前検査の広がりにより、おなかのなかの赤ちゃんがダウン症の可能性が高いという結果が出ると、産まないという決断をなされることが非常に多いことを愁いた理事長の内海智子が、ダウン症のある子たちにはいいところがたくさんあると、彼らの魅力を表現するストーリーを考えたのが発端です。
ダウン症や知的ハンディのある若者たち自らが演じる演劇は、独特の間やユーモアのある表現があふれ、心から舞台を楽しみ生き活きと演じる姿が、大変評判を呼びました。
命の誕生をテーマにしたストーリーのラストの意外な展開には、「共に生きる」というメッセージが込められています。
10年ほど前、常盤貴子さんが主演された映画「筆子・その愛~天使のピアノ~」に、理事長の長男が出演させていただいたご縁で、常盤貴子さんがボランティアで出演してくださっています。
面白くて楽しかったです。命の大切さも分かっていい機会になったと思います。しょうがいがあってもなくてもくらしやすい世の中になってほしいなと思います。
(10代女性)
ダウン症の子の母親になって、これでよかったんだ、という気持ちになりました。
(30代女性)
本当にみんな役になりきって自分を表現していて、感動した。遺伝看護を勉強していて、いつも家系図や教科書から病気を判断しがちだが、私たちが勉強しているその先を見させてもらった気がする。子どもたちの可能性の広がりを伝えたい。
(30代女性)
最後は涙なしでは見られませんでした。このような素晴らしい会を企画してくださった方々に頭が下がります。長男にも障がいがあり、本当に共感しながら最後の歌に聴き入りました
(30代男性)
素敵な出逢いコンサート
2018年
音楽をメインに、ダウン症のあるパフォーマーと、自閉症のあるパフォーマーが出演し、障がいを超えていっしょに「千の風になって」を歌い演奏もしました。
ジャンベのグループ「一期ジャム」の楽しい演奏のあとは、観客席からも舞台に上がりペットボトルマラカスなどでいっしょに演奏し、盛り上がりました。
映像でご紹介
2017.7.22(土)
2017年7月22日(土)
横浜市磯子区民文化センター杉田劇場
21番目の素敵な出逢い
映像は2017年7月22日(土)に横浜市磯子区民文化センター杉田劇場で開催された「21番目の素敵な出逢い リターンズ」のものです。